第48章 金で橘結衣を辱める

市川夫人の言葉を聞いた瞬間、南川萌々香は緊張で手のひらをきゅっと握りしめた。

来る前から覚悟はしていた。市川家は後ろ盾が強い。証拠を出したところで、事態がすんなり収まるとは限らない。

それでも――まさか、市川詩織の母親がここまで傍若無人だとは思わなかった。

「市川さん、そんなこと……」小山英子が黙っていられずに言いかける。「先に手を出したのは市川詩織で――」

「小山先生」市川夫人は素早く横目を投げ、氷みたいな声で遮った。「忘れないでちょうだい。うち、市川家はこの何年も華南高校にずいぶん寄付してるの。あなたが知らなくても、山住校長が知らないはずないでしょう」

そう言ってスマホを取り出...

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